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Stanford建築紀行

3/9~12 シリコンバレーのベンチャー企業 と Stanford University を訪問。
到着日の午後は、Stanford Univ.のキャンパス内を軽くjog。
あまりに広大なキャンパスに、2時間ほどのjogでもキャンパスの半分しか廻れず。約15kmのラン。キャンパス内のほとんどの建物は、スペイン風でオレンジ色の瓦屋根。
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とにかく広いキャンパス。

今回の一番の楽しみは、Stanfordにある"Foster + Partners"の作品2つ。
1) Center for Clinical Science Research (1995 - 2000)
http://www.fosterandpartners.com/projects/center-for-clinical-science-research/
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南からのView。
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ルーバーが、強い日差しをほどよく遮る。
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北からのView。
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2棟から成る建物の中庭で一休みすると、カリフォルニアの強い日差しの下、ルーバーを通り抜けた風が心地よい。

2) Clark Center (1999 - 2003)
http://www.fosterandpartners.com/projects/clark-center-stanford-university/
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よく建築雑誌に載っている 北からのview。
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建物の曲線美。好き嫌いが分かれるが。
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ミーティングを行った Clark Center 1階からの眺め。


ちなみに、現在建設中のApple本社の新社屋も、"Foster + Partners"の設計。その工事現場にも立ち寄ったのだが、周囲は塀で囲まれていて、中の様子を伺い知ることはできなかった。
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アップル新本社社屋を設計、ノーマン・フォスター氏が語る円形ビルの理由
2016年完成予定のAppleの新社屋を上空からGoProで撮影したムービー

# by bostonmarathon | 2015-03-13 23:50 | アート & 建築

3/1~6 SDL2015

今年もSDL2015@smtが始まった。
運営スタッフやサポートしている教員の皆様、本当にご苦労様です。
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今年は所用のため、午後からの観戦。SDL2013の時と同様、会場に着いた時には既に、ファイナリストの作品は最終審査のために搬出されていて観ることができなかった。自分なりのファイナリストを選ぶことも楽しみのひとつなので、ファイナリストが決まる前に作品を一通り見ることができない年は、なんか気持ちが入り込めない。土曜日も、審査員以外にも開放していただけると有り難いのだけど。
以下、会期中、随時、メモを書き足していきます。 

= 3月1日の感想 ==============================
6F→5Fの順に駆け足で約500点を眺めて3時間半。ファイナル(公開審査)が始まった15時以降は、展示会場は閑散としていて、ゆっくりとポートフォリオを読みながら建築模型たちを観ることができた。今年は、一般成人や子供だけでなく、高齢者を主役に据えた作品が増えたような気がする。
作者の意図を十分理解できない作品も多いですが、以下、気になった作品。

001 「再繋の橋」;分断された街の治療は永遠のテーマ。今年も、駅によって分断された街を対象に選んだ作品がいくつかあったが、この作品が一番心地良かった。東西に分断された街をアーチで繋ぐことで、境界を作ることなく繋げようとしている。模型にヒトや電車を配置して、東西のコミュニティを繋げている様を表現しても良かったかもしれない。
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100 「Color-full」;同じものを見ても、人によって違う色を見ていたり、同じ人でも見方によって違う色に見えたりすることを再認識させられる体験型の作品。
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018 「跡地のこれから -1964年丹下健三設計・香川県立体育館の解体と再編-」;取り壊しの危機に直面している香川県立体育館を題材に、躯体に関しては 屋根の構造のみを変更することで、建築空間の価値を再定義(再生)しようとする案で、興味深い。模型も細部まで良く作り込まれていたし。そういえば、2/22の東京マラソンの際、外堀通りから、法政大学55/58年館の勇姿をまだ見ることができて嬉しかった。
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117 「重層する借景」;大きい建物だけど、中に入ると小さい空間の連続。コンセプトとしては面白い。
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148 「建具室礼亭 -たてぐしつらいてい-」;壁のないサッシュの建築。引き戸を使うことで、自由に間取りを変えられる 流動的な賃貸住宅の提案。
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126 「本の社」;居心地の良さそうな図書館。暗闇に室内の照明の明かりが漏れるさまを描いた絵が素敵だった。
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182 「『たまり』のある風景」;毎年ある居場所系の作品。心地よさそうな溜まりが散在。
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327 「谷中の途とひとつながりの邸 -独居老人のためのシェアハウス-」;地域で高齢者を支える空気を持った通りというか住居というか。
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297 「音態(おとざま)の調律 -騒音社会における住空間の再編-」;音態を調律することで、ヒト・街・建築をお互いの気配でつなげようとする試み。本日いちばん気に入った作品。
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子供たちが自由に声を上げられるよう 騒音量の大きい場所に幼稚園を配置したり、街の音を拾うような構造をした空間を作ったり。

339 「恐い、幸せ -活断層による新しい軸の挿入と、それに伴う都市の再編成-」;活断層を可視化させて、都市の軸とする。防災の面からも、悪くない案だと思う。
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245 「風景を彩る -by botanical city-」;今ひとつ 作品のコンセプトを理解できないが、出来上がった模型の風景は好き。
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067 「parametric element」;平面のスラブを折り曲げて作ったユニットが裏と表の空間を分けて、さらに、ユニットを連結することで動線を作る。もしかすると、軽量で耐震性の高い 新しい建築工法に発展させることができるのでは?
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064 「新しい過去」;耐震性の問題で建て替えが検討されている被曝建物『広島アンデルセン』のランドマークとしての再生。1月に現地を観てきたばかりの建物なので、他人事とは思えない。過去を保存するアイディアとして素晴らしい。
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この写真は今年1月に撮ったもの。この建物の2F部分を 新築する建物の1Fに移設保存する、というのがこの出展者の案。
*先日 広島を訪れた時の広島建築紀行はこちら

292 「窓辺から広がる暮らし」;様々な表情の窓。窓を介して室内外を結ぶ空気を表現している。
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482 「ひとつの正方形からはじまる京都の再編」;京町家を残すための試み。よく分からなかったけど。
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494 「フェミトピア -アイドル生活か刑務所生活か-」;『女子アイドルと女子受刑者の共同生活』という 一見 突拍子もないテーマだが、ポートフォリオを読むと、仮面をかぶったアイドルと仮面をとった受刑者のどちらが本当に幸せであるか、考えさせられる作品。ファイナルに残して、Discussionしてもらいたかった作品。
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5Fの展示を観ている最中、南側ホールのモニターに流れていたファイナルの中継に、基町高層アパートが登場していたので、このプレゼンだけはじっくりと観た。結果的には、この"091「都市の瘡蓋と命の記憶 -市営基町高層アパート減築計画-」"が日本一を取ったようだが。私にとって、この基町アパートは、1月に広島を訪れた際に行った建物の中で、最もインパクトが強く、忘れがたい建物群だった。

ファイナルの中継@smt 5F。
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ファイナルの中継@smt 1F。
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= 3月2日の感想 ==============================
夕方なんとか時間を作って、19:30からの会議の前に、昨日観られなかった上位10作品などを観に行った。職場から会場のsmtまでクルマで5分で行けるのが助かる。
昨日はスルーしたけど 本日 興味を引かれた作品もいくつかあった。

091 「都市の瘡蓋と命の記憶 -市営基町高層アパート減築計画-」;昨日も書いたが、この基町高層アパートは1月に広島を訪れた際に行った建物の中で、最もインパクトが強く、忘れがたい建物群だったので、注目されたことは嬉しい。ただ、(ファイナル審査での質疑応答をすべて聴いた訳ではないので、私が十分に理解・咀嚼できていないのかもしれないが)減築という概念は、なんかしっくりとしない。
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250 「Black Market Dicipher」;建築や街にヒトが居着きたくなるような 溜まり場の作り方が上手。いい写真を撮れていないので、説明が難しいのですが。
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539 「身体住居_T邸」;自身の身体スケールを落とし込んだ自邸の提案。落ち着ける空間になるのか、窮屈な空間になるのか、興味がある。
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168 「文字と建築」;文字のアウトライン(輪郭)の線を、設計図面の線に置き換えることで空間表現をする試み。私には、理解できそうで理解しきれない作品だったが、非常に意欲的な作品だと感じた。
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199 「青の世界 -ブルー・ツーリズム推進拠点-」;周囲から遮断された既存の水族館とは異なり、水槽を自然環境に配置して回廊で繋ぐプラン。建物の内と外を反転させるようなコンセプトの作品は毎年みられるが、本作品には興味を惹かれた。
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全国から集まったケンチク学生の皆さん、お疲れ様!
来年も楽しみにしています。
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以下は、過去のSDLの感想メモへのリンク。
SDL2014の感想 各年ごとに気に入った作品はあるけど、全体としては、ここ数年で一番楽しめたSDLだった。
SDL2013の感想 防災に言及した作品も多かった。
SDL2012の感想 大震災翌年のSDL。作る側にも観る側にも、震災の体験が多少なりとも影響していた印象を受けた。
SDL2011の感想 会期中の3/11に東日本大震災が発生。

# by bostonmarathon | 2015-03-01 23:00 | アート & 建築

東京マラソン2015

自己ベストの3時間28分でフィニッシュ。
別府大分毎日マラソン2016への出場資格も得ることができました(来年も出場基準に変更がなければ)。
コース沿道やネット上でのご声援ありがとうございました。また、運営スタッフやボランティアの皆様に感謝いたします。

# by bostonmarathon | 2015-02-22 23:40 | マラソン

Re-visit 東日本大震災 津波被災地(仙台市沿岸部)

毎年この時期に放送される 阪神淡路大震災関連のTV番組を観ていたら、市内沿岸部のことが気になってきた。特に、中野小学校、日和山。
宮城野区蒲生まで往復32kmのラン。約1年ぶり?の蒲生。

東北薬科大学病院を越えたあたり(沿岸から5km)から、津波被害の痕跡に迎えられる。
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ここが住宅地だった痕跡は、もうない。

久しぶりに登頂した日和山(日本一低い山)。
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蒲生干潟は、まだ再生していない。
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沿岸から市街地を望む。震災前にあった松林も住宅地も無くなり、奥羽山脈まで一望できてしまう。
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一本松。
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往路で見付けられなかった中野小学校。
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復路で見付けた。既に更地になっていた。

このエリアの復興は、まだまだ道半ば。

# by bostonmarathon | 2015-01-18 17:00 | 震災・災害現場

1/10-11 広島建築紀行

昨日は、安佐南区八木地区の土砂災害現場を訪れて、自然災害の恐ろしさをあらためて実感した。今朝は2時間ほどランニングがてら、建築物を回る。
(右下がりの写真が多いですが、未補正です。)

「広島アンデルセン」(1925年;長野宇平治さん設計)
ネオルネサンス様式。建物内に入ると、自然光(?)が降り注ぐ吹き抜けの天井が素敵。
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「旧日本銀行広島支店」(1936年;長野宇平治さん設計)
カチッとした感じ。この時代の銀行建築にしては、ゴテゴテしていない。
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「広島医師会館」(1969年;日建設計)
広島県医師会と広島市医師会が入居している。南側からの2Fメインエントランス と 西側道路からピロティを通って入る1F入口 とを繋ぐ 吹き抜けロビーの片持ち階段が、いかにもモダニズム。好み。
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「レストハウス」(1929年;増田清さん設計)平和記念公園にある被爆建築。
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「広島平和記念資料館」(1955年;丹下健三計画研究室)
シンプルで力強いモダニズム建築。1Fの柱には、(どっちが先か分からないが)名古屋大学 豊田講堂のように、コンクリートに木目模様が付いていた。
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「原爆ドーム」(1915年;ヤン・レルツさん設計)
戦後20年以上経った1966年に、永久保存が決まった。現在、3年に一度の健全度調査を実施中のため、足場に囲まれていた(2015/3/31までの予定)。
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「基町スターハウス」(1960年頃;????)
三方向に突き出した構造のアパート。1950年代に全国に建てられたが、残っているものは少ないらしい。ここも、もう入居者は居ないようだった。
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「基町・長寿園高層アパート」(1972-1978年;大高建築設計事務所)
本日の大当たり物件。ダイナミックな建築群の1Fはピロティになっている。基町ショッピングセンター部分の人工地盤による歩車分離など、建物群というより、「都市計画」といった印象。(短時間で、十分には堪能できなかったけど、)ここを体感できただけでも今回,広島に来た甲斐があった。広島城のお堀のすぐ西側にある。
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遠景からは分からないが、1F部分はピロティになっている。サービスコア(階段、EVなど)の造形は丁寧に作り込まれている印象。
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基町ショッピングセンター内。
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「広島城」(1589年、1958年再建;????)
この天守閣から、基町のアパート群を観てみたかった。
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「広島市立原小学校」(1873年;????)
昨日の大当たり物件。安佐南区八木に向かう途中で、たまたま見付けて、アールデコ調のタワーに目を奪われた。左手にある体育館の屋根の形状も興味深い。
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今回は、余裕がなくて、事前にあまり調べられなかった。また、時間が限られていたため、行った建物も十分には観きれなかった。他にも、行ってみたい建物はあったし。
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原爆ドームそばに、オシャレなカフェがありました。
帰りは新幹線で、広島―仙台 6時間の旅。

# by bostonmarathon | 2015-01-11 17:00 | アート & 建築