今年も(今年は)SDL2021@smtが始まった。
昨年はコロナ禍で中止。代替企画「SDL:Re-2020」が開催された。
今年は主催者の努力によりハイブリッドでの開催にこぎつけられた。
smtスタッフ、仙台建築都市学生会議の学生さん達、
アドバイザリーボードの建築家/教員の皆様に感謝。
*SDL2021; せんだいデザインリーグ2021卒業設計日本一決定戦.
*smt; せんだいメディアテーク.
このブログで、現地来場できなかった全国のケンチク学生の無念さを多少なりとも癒せれば幸いです。
3/14(日)は名古屋ウィメンズマラソンでランニングドクター。
書きかけですが、とりあえず会期終了前にブログにアップします。
後日、写真や文章を手直しします。

3/7(日) ファイナル審査をオンライン観戦(選ばれた10作品)。
プレゼンで十分に作品の魅力を表現し切れなかった作品もあり残念。
今年の日本一~日本三は、作品もプレゼンも素晴らしかった。
3/11(木) 現地でケンチク模型を観戦。
一般公開は、各日10~16時に50名/2時間 x 4回。
各作品のポートフォリオはQRコードで読み取る。
iPhoneで拡大しながら読む。
例年なら初日から複数回 訪れてケンチク模型を浴びるのだけど、今年は現地に行けるのは3/11の1日のみ。10~12時に観戦。例年だとsmt 5F & 6Fにびっしりと展示された500前後のケンチク模型を浴びるのだが、今年は500超の作品のうち、一次審査を通過した100作品のみが6Fのワンフロアに展示されていた。例年だと来るたびに異なる順番で模型を観るのだが、今年は1回のみなので、まずは東から西へ全作品をサラッと眺めたのちに、北西の作品から順に観戦した。

以下、気になった作品に対するコメントを観戦順に。
352「私の人生(家)」【日本一】
建築物を用いて、自分や家族の過去に向き合い人生を再編しようとする今までになかった作品。
353「香港逆移植」【日本二】
模型だけでは分からない魅力。
ファイナル審査を観て良かった。

323「都市の中に荒野をつくる」
『屋内~半屋内~半々屋外~半屋外~屋外』という連続する余白の作り方に心地良さを感じた。

286「三陸の方舟」
嵩上げにより分断された復興商店街とと港を繋いで、生業を見える化する作品。港町のヒトが観たら喜ぶでしょう。

242「実験的、流体的。」
水の建築。水が創る多様な形態を考察して、建築が自然の一部になることを目指した意欲的な作品。こういうの好きだなあ。この模型は、本来は光るのだろうなあ。

204「人間の中の環世界」
成長により変化する空間知覚。狭い空間が大好きな子供たちが喜びそうな建築。

240「シン・メタボリズム」
坂出人工地盤がこんなにも荒廃しているとは知らなかった。この土地が本当にメタボリズムの過程を辿るための処方箋。

007「今日、キリンと話をした。」
有料動物園内を貫通するミチを創ることで、街の分断を解消。

157「ウメダクラウド」
綺麗で洗練された模型が心地よかった。

019「タワマン解体」
タワマンを転用・解体していく提案。
バブル期以降、超高層ビルやタワーマンションが次々と建てられているが、多くの建築主は目先の収益を第一に考え、老朽化した際の解体という問題から目を背けているように感じていた。10年くらい前に大成建設が開発した「テコレップシステム (Taisei Ecological Reproduction System)」を知った時は嬉しく思い、当時、グランドプリンスホテル赤坂の解体現場を何度となく見に行った。その後も、大手町の様々なビル解体現場などを眺めていた。2040年前後に迎える高層ビル建て替え局面に対して、建築業界には責任を持って本気で取り組んでもらいたい。

350「繕いを、編む」【日本三】
千曲川水害から1年。水害に耐えた鉄骨をあえて残した児童館の再生案。ファイナル審査のプレゼンも良かった。

346「道草譚」
小学校通学路の子供たちが大好きな要素を抽出して建築に活かす。

001「綴る」
東京都王子(十条製紙十条工場跡地)と宮城県石巻(日本製紙石巻工場)を、反転と再生をテーマに繋ぐ提案。製紙で共通するのは分かるが、意図を十分に理解できず。


114「所有と脚色」【特別賞】
建物ではなく、所有物を先に配置して建築を考える提案。もしかすると、これこそ本体の建築なのかもしれない。

405「オリンピック島」
もし東京五輪を開催するのであれば、医療従事者の視点では、このような島で開催していただけると感染コントロールも面での管理しやすく有難い。大会期間外には防災施設・避難所としても活用できる。一方で、津波に対しては脆弱。

045「トリビュート建築」【10選】
前川國男さんが設計した宮城県美術館を題材にトリビュート建築を周囲に創り、地域の価値(?)を上げる提案。ファイナル審査では緊張していたかな。乾さんの『「ここぞ前川建築」というと場所を1つ挙げるならどこ?』という救い船に対して、素直に1つの建物を挙げるのではなく、『形よりも前川建築の精神が大事』と反論したのがaudienceとしては興味深かった。
3/11にポートフォリオを拝見したところ、宮城県美術館の各要素を細かく分析して、丁寧に遺伝子を抽出していた。そして、9つのトリビュート建築のそれぞれに対して、宮城県美術館のどの要素が抽入されているか丁寧に記載されていた。ファイナル審査ではこのような丁寧な検討過程が十分に審査員に伝わらなかったのが残念。

(参考)宮城県美術館の現地存続を求める県民ネットワーク https://www.save-mmoa.org/
<毎年観戦して気になっている点>
・黒ベースのパネルは反射して見にくい。
・小さい文字は読めない。
・今年は作品がすべて床に展示してあったが、例年のように、
大きくない作品はテーブル上に展示してもらうと見やすい。
今回初めて建築以外の方が、審査員として参加。
小田原のどか(彫刻家・評論家)さん。
ファイナル審査に新しい視点がみられたので良かった。
今までにも何度か書いたけど、100選に選ばれなかった作品の中にも興味深い作品はたくさんある。むしろ、予選の審査員が高得点を付けなかったけど自分なりに気に入った作品を見つけるのも楽しみの一つだった。
先輩の模型作成を手伝った後輩たち、次は君たちが羽ばたく時だ。
私以外にも毎年楽しみにしている仙台市民・宮城県民が居ります。
来年度も楽しみにしていますので、よろしくお願いいたします。
*後日、加筆修正します。