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銀座ソニーパークプロジェクト 20160703 「ソニーの「パーク」は銀座の未来を開くか?」

今日は、仙台からわざわざ行って良かった。
「銀座ソニーパークプロジェクト TALK SESSION #01」@ソニービル8階OPUS。

青木淳さん(建築家)と倉方俊輔さん(建築史家)の対談。

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6/13(月)倉方さんのFBで、ソニービルが取り壊されることを知りショックを受けた。それと同時に驚いた、というか目を疑ったのは、ソニービルが築50年以上経っていたということ(1966年竣工)。私がソニービルに初めて足を踏み入れたのは約20年前。螺旋状のスキップフロアを歩いたのだと思うが、その時点では特段 目新しさも感じなかった。しかし、この建物が50年前からあったとは…。
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皆様、もしお時間に余裕がありましたら、是非とも、下記サイトの「DNA」という項を読んでいただきたい(「銀座の庭」by 盛田昭夫さん など)。

http://www.sonybuilding.jp/ginzasonypark/

いかに、当時のSONYが先進的なことを試みたか分かります。設計した芦原義信さんの著書「街並みの美学」「続・街並みの美学」は、素人の私に、心地良い空間・街並みとは どのようなものか分かり易く教えて下さったバイブル。


当日のTalk Sessionの受付前、ソニービルを外周から観察したのち、8Fから1Fまで歩いて降りる。1フロアを90cmずつ4段階で下がるスキップフロアを、50年前の気持ちで歩く。14時過ぎに受付して会場に入ると、芦原義信建築設計研究所によるソニービル新築工事の青焼き図面を素手でめくりながら、見ることができ興奮。

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15:00~16:30は、対談。

今回参加したかった理由は、ソニービルが好きだったことと、倉方さんのお話を聞きたかったこと。少し古めの近代建築が好きな私には、倉方さんの著書(「ドコノモン」など)はストライクなので。

以下、今日の対談のメモ。
明日の仕事もあるので、以下は帰りの新幹線で書いたメモ。多分、どなたかが、もっと詳細にネット上にアップしていることでしょう。


倉方:この建物(ソニービル)がイイ、と言っている2人にソニービル解体後について対談させるとは、SONYってすごいですね。

花びら構造
1フロアで4段90cmずつ上がるスキップフロア(田の字型)。

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ビルのほぼ全体が、企業のショールーム。当時としては画期的。

しかも東京の一等地に。

青木:ソニービルのポケットパークについて。
NYのポケットパークの元祖であるPaley Parkも1966年。
ソニービルのポケットパークは、海外のものを真似たものではなく、
当時としては先進的なものだった。
Paley Parkについてはこちらを参照ください。
http://www.landscapearchitect.jp/journal/case-study/park/keikan1429

倉方:建築物に「老朽化」とは失礼。
きちんとメンテナンスされていれば、構造体が50年や60年で老朽化することはない。老朽化とは、メンテナンスを怠った結果。
その点、SONYは今回、ソニーは「老朽化」という言葉を使っていない。

倉方:良い建築家は、「体験する時間」、「時間の質」を作る。

青木:SONYの選択肢は2つあった。
1) 現在のソニービルを活用できるヒトに、ビルを売却する。
2) 更地にして、現在SONYが考えていることを表現した建物を建てる(建て替え)。
倉方:もう1つ選択肢があり、通常はこれが選択される。
3) 更地にして土地を売却する(結果として、つまらない建物が建つ)。
SONYは、2)を選択し、自らハードルを上げた。

三次 市民ホール(青木淳設計)
倉方:本で見ただけでは箱が並んでいるだけでよくわからないので、先日、行ってきた。劇場は、使っていない時間のほうが長いので、楽屋も表側からアクセスできるようにしてレンタルしている。案内してくれた職員が、青木さんが意図していなかったような使い方を提案していた。

モダニズム
建築家がすべての解を与えられる、という時代。目的のない行動を認めない。

ソニービルのような螺旋状のスキップフロアは、自由度が制限される。
動きをもたらしてくれるという点では良いが。

ソニービルを建てた当時は、SONYはelectronicsを扱う企業であったが、SONYが扱う製品構成も変わり、花びら構造では運用しにくい面も出てきた。SONYが扱う製品構成が50年前とは大きく変わっていることを、お二人とも、今回解体する理由として何度か挙げていたので、SONY側からお二人にそのような説明があったのだろう。 それはそれで、事実だろうから隠す必要もないけど、ちょっと、本心からの発言ではないようにも感じた(あくまで私感)。

公園とパークの違い。
公園は、モダニズムのcreationに対するrecreation。

原っぱと遊園地。

laborとworkの違い
laborは労使関係下。
workはもっと広い意味で、仕事に限らず勉強も。

倉方:建築・設計には、公共、住宅、商業の3分野があるが、青木さんはこの3つで傑作を残している稀有な建築家。

公共建築と言うとき、本来は、誰が作ったかは関係ないのだが、日本では、公共建築というと、国や地方公共団体が作った建物(税金建築)を指す。米国では、そんなことはない。
でも、ソニービルは誰でも通り抜けられる街に開かれた建築で、公共建築といえる。

大規模改築をしようとすると、現在の法規を満たす必要があるため、50年前に建てられたソニービルでは、事実上無理。改築困難。
そこで、「減築」という形をとる。地上部分を、数ステップ残して解体する。地下は残す。

空間と時間
倉方:昔、磯崎新さんがパリで「間」展を行った際、『日本人には、空間と時間の区別はなく、あるのは「間」だけ。』と言った、と。

対談の中で、青木さんが何度となく話していたが、ソニービルの地下が、駐車場と連結してイイ感じに公共化している、と。帰りに、地下(今まで行ってみたことがなかった)に行ってみたら、カフェやブティックが、公共駐車場と繋がっていて、ビルが街と溶け合っていた。

(写真は載せないでおきます。)

オリジナルの天井が残る7F。

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Impressions
今回参加してみて、今後、ソニービルがどのような「パーク」に生まれ変わるか、ワクワクしてきた。まずは、2017~2020年の姿を楽しみに待ちたい。運よく、第2回のTalk Sessionが開催される7/16は日本心臓リハビリテーション学会で東京に居るので、時間が合えば参加したい。

熱風吹く中、今回参加してよかった。

以上。


P.S. 卒業設計でこの事案を取り上げるケンチク学生は居るのかな?

  もしいらしたら、SDL2017で見てみたい。


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by bostonmarathon | 2016-07-04 00:38 | アート & 建築

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